漆の新たな魅力を開拓しつづける英国人漆アーティストのスザーン・ロスさん初のフォトエッセイ。漆との衝撃の出会いから、日本への片道切符の旅、弟子入りした伝統工芸の世界、能登半島の美しい自然と、輪島での古民家を改造した家とアトリエでの暮らし…。日本の漆文化は縄文時代以来9000年以上の歴史を持つ。世界遺産に登録されている日本の寺社も、日本の漆でしか修復できない。その日本の漆がいま存続の危機に立たされている。日本の自然や周りの人々との調和を大切にして1万年以上も平和な時代を築いた縄文の精神、そして、世界最古の日本の漆文化を残したいと奮闘している。日本の未来は日本文化の中にあると語るスザーンさんの作品やアトリエの魅力が一杯つまった本です。2015年刊行書籍の待望の電子化。◆スザーン・ロス 1962年イギリス、ロンドン生まれ。美術とデザインを学んだ後、来日。1990年より輪島在住。石川県立輪島漆芸技術研修所で人間国宝の先生方より教えを受け、さらに人間国宝・小森邦衛先生に師事。そのかたわら個展や伝統工芸展などで作品を発表。第16回金沢城兼六園大茶会展で石川県知事賞受賞をはじめ、石川県伝統工芸展入選ほか、受賞多数。ニューヨークのメトロポリタン美術館、日本国際交流センター、ロンドンの大和ジャパンハウス、フロリダのモリカミ博物館、ハワイのホノルル美術館他で漆のワークショップと講演など、URUSHIの普及に努めている。漆産地の人々が同じ傘の下に集まり、職人を助け、世界レベルで漆についての教育を行うことを願い、全国の漆産地の訪問を続けている。また、かつての自身のように、漆を学びたいと考えている外国人が、もっと漆に親しめるような環境を作っていこうと努力を続けている。
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