<STORY>1976年7月28日深夜。中国河北省唐山市。貧しいながらも幸せな生活を送っていた四人家族をマグニチュード7.8の地震が襲った。父は家に取り残された二人の子供を助けようとするが、建物の倒壊に巻き込まれ命を落としてしまう。 翌朝、一人きりになり絶望の淵にいる母親の元に、子供たちが瓦礫の下で奇跡的に息をしている事が伝えられる。力を合わせ救助活動をする近隣の人々。だが時間は迫り救出できるのは片方だけという、あまりにも過酷な選択をしなければならなくなる。「息子を…」泣き崩れる母親。そしてその声は瓦礫の下の娘の耳にも届いていた。 夫と娘の死を確認した母は、片腕を失った息子と共に避難場所へ移動する。そんな中、一度は死んでしまったと思われた娘は、奇跡的に息を吹き返す。意識を取り戻すと隣には遺体となって横たわる父親がいた。わずか23秒の揺れにより一瞬で姿を変えてしまった街の中、茫然としてたたずむ娘は救援隊により救助される。時は流れ、亡くなった夫と娘を想いつづけながら、母リー・ユェンニーと息子ファン・ダーは唐山市を離れずたくましく生きていた。片腕を失った息子を大学に進学させたいと思う母に対して、息子は女手一つで苦労して育ててくれた母親を早く楽にしてあげたいと望み、家を出て働くことを選択する。かたや娘のファン・ドンは、軍人夫婦の養子となり美しく成長していた。頑なに閉じた心は、養父母の愛情の下、徐々に解きほぐされていったが、母に選ばれなかったという心の傷は誰にも打ち明けられずにいた。やがて医大に進学し養父母の下を離れ、寮生活を送る娘。そんな彼女に2つの事件が起こる。養母の病死、そして在学中の妊娠である。その後娘は医大をやめ、行方をくらましてしまう。 数年後、唐山で一人暮らす母親の下に仕事で成功した息子が婚約者を連れてやってくる。一緒に住もうという息子の提案を、亡き夫と娘が眠るこの地を離れたくないと拒絶する母親。 母にとって唐山は決して離れられない大事な土地になっていた。 一方、妻を失い、愛する娘も行方不明になってしまった養父の下に、突然娘が孫を連れて帰ってくる。大事に愛情を注いでくれた養父母に対して、学生の身で妊娠し子供を産んでしまった自分を恥じて、養父の元に戻れなかった事を打ち明け、許しを乞う娘。そしてずっと心の奥にしまっていた唐山大地震の事、母の選択の事を遂に養父に打ち明けるのだった。32年の時を経て、家族の運命が大きく動き出す。2008年5月12日。中国を再び大地震が襲う。四川大地震である。カナダ人と結婚し、海外で生活していた娘。そしてビジネスに成功した息子。二人はボランティアとして四川に向かうことを決断する。そして…。
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