はじめにショップデザインは、建築デザインをはじめインテリアデザインやインダストリアルデザイン、ディスプレイデザイン、グラフィックデザイン、サインデザインなど、いくつかのデザインジャンルに“商業”という要素を加えた複合的なものと言えます。ショップを構成するエレメント、ディテールも、これらのジャンルとつながりを持ちながら、技術的蓄積と発展を重ねてきました。一方で、ここ数年ショップデザイン、設計に関わる環境は大きく変化しました。ことにパソコン、CADの普及、発展は、従来の設計手法や手順、コミュニケーションのあり方を変えるまでになってきています。設計者、施工者それぞれのノウハウの蓄積とデータの共有化が当たり前になりました。材料、工法も進化し、さまざまなニーズに対応できるようになってきました。とは言え(だからこそ)、ディテールの工夫は必要で、ここに設計者としての空間、寸法、材料、かたち、表情に対する“考え方”が現れます。『“光る”ディテール』では、光床・光壁・光天井と照明を内蔵した家具・造作を事例に構成しています“光り”の表情は、図面上だけではなかな分かりにくいものです。“光”が素材を透過また反射しどのような表情を示すかは、さまざまな事例を見て覚えるしかないようです。本書では、カラー写真で実際の“光”の表情を、平面図、ディテール図、展開図、断面図を収録して分かりやすく表現、構成しています。従来、ディテール図集では文字どおり「部分詳細図」のみを示すものが中心でしたが、本書では平面図、展開図を、あるいは断面図全体を示すことにより、店舗全体を、また周囲との関連を把握しやすいようにしています。本書に掲載されたディテールは、今日第一線で活躍しているショップデザイナーの知恵と工夫が詰まっています。本書を纏めるに当たって、資料をご提供いただいた設計者の方々、ご協力をいただいた方々に感謝いたします。〈編集部〉
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