「MELCLASSICS」よりケンプ・ライヴ・ボックス発売!
レーグナーとのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集を始めお宝音源9枚組10時間半!
「MELO CLASSICS」が凄いセット物を出してきました。20世紀ドイツの偉大なピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプのライヴ録音集、9CD、10時間半。どれもこれもお宝音源ばかりです!
まずは何と言っても1965年3月26、28日に催された、ハインツ・レーグナー指揮シュターツカペレ・ベルリンと共演のベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲。この5曲のためにこのセットを勝っても損はしないというくらいの充実した演奏。69歳のケンプのピアノはベテランの味わい深さがありつつも、ライヴでは意外なくらい思い切った表情もあり、改めて超一流のベートーヴェン弾きだと唸らされるもの。そして若くしてドイツの伝統を背負った当時36歳のレーグナーがオーケストラから渋く重厚なしかし柔軟な音楽を引き出しています。皇帝協奏曲の第3楽章はもう圧巻、大喝采。全曲ステレオ録音で音質も十分。両日のアンコールまで収録。
オイゲン・ヨッフム指揮コンセルトヘボウ管弦楽団とのモーツァルトのピアノ協奏曲第15番もとても良い演奏。ケンプとヨッフムとコンセルトヘボウ管弦楽団の共演はおそらくこれが初めてで、なんともリラックスした和やかで味わい深いモーツァルトが聴けます。テープ保存が悪く年代にしては音質が今一つなのが惜しいですが、それでも価値のある名演でしょう。
リサイタルでは、1963年10月のポツダムでの演奏が素晴らしい聴きもの。4曲はいずれもケンプのお得意で商業録音も残されていますが、ライヴで興が乗った時のケンプの堅固でありながらふつふつと湧き上がる音楽がしっかり収められています。
ケンプが伴奏に回ったお宝が、プラド音楽祭で81歳のカザルスと共演したベートーヴェンのチェロ・ソナタ第5番。カザルスとケンプは1961年のチェロ・ソナタ第1番の録音が知られていますが、この第5番は1958年のライヴ録音。この世紀の共演はもはや普通の物差しでは測れないであろう、途轍もないものを体験した充実感を得られることでしょう。ケンプ・ファンはもちろん、ドイツ伝統のピアノ弾きが好きな人に広くお勧めしたい9CD。
ベートーヴェンの全集を始め、およそ半数の録音がステレオ(各ディスクが収容されているペーパー・スリーヴにSTEREO or MONOの記載があります)。
またブックレットには1936年の最初の来日の時の写真など貴重な写真も数点掲載されています。(輸入元情報)
【収録情報】
1. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
2. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
3. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
4. ベートーヴェン:7つのバガテル〜第1番変ホ長調 Op.33-1
5. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
6. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』
7. シューベルト:即興曲 変イ長調 D.899-4,Op.90-41
ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
シュターツカペレ・ベルリン(1-3,5,6)
ハインツ・レーグナー(指揮:1-3,5,6)
録音:1965年3月26日(1-4)、3月28日(5-7)、東ベルリン(ステレオ)
8. シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
ベロミュンスター放送管弦楽団
エーリヒ・シュミット(指揮)
録音:1962年1月24日、スイス、ビール(モノラル)
9. モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
10. ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15
11. ブラームス:間奏曲 変ホ長調 Op.117-1
ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
シュターツカペレ・ベルリン(9,10)
ハインツ・レーグナー(指揮:9,10)
録音:1966年9月25日、東ベルリン(ステレオ)
12. モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
南ドイツ放送交響楽団
ハンス・ミュラー=クライ(指揮)
録音:1955年7月21日、ドイツ、コスタンツ(モノラル)
13. モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
シュトゥットガルト・クラシッシェ・フィルハーモニー
カール・ミュンヒンガー(指揮)
録音:1969年11月21日、シュトゥットガルト
14. J.S.バッハ:フランス組
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