美しい宝石や高級腕時計を手に入れたい。そして、それを身につけている姿を、誰かに見てもらいたい。人はなぜ、きらきら輝く宝石や腕時計に惹きつけられてしまうのか。宝石の価値とは、一体何なのか。マリー・アントワネット、エリザベス女王、御木本幸吉、デビアス。人々を虜にし、国をも動かしてきた宝石の魅力を、社会史、文化史として華麗に綴った8章。第1部 WANT 欲望―思い込みと希少性 石が宝石になるための「価値の幻想」とは(マンハッタンを買い上げたガラスビーズの物語;「永遠の輝き」は本物か?―婚約指輪の始まり;エメラルドのオウムとスペイン帝国の盛衰)第2部 TAKE 獲得―歴史を動かすもの 私達の行動を形作る宝石の意味(フランス革命を起こした首飾り;姉妹喧嘩と真珠;ソヴィエトに資金を流す金の卵)第3部 HAVE 所有―誰でも手に入れられるもの 真珠と腕時計―一個の宝石が社会変革を起こす(真珠と日本―養殖真珠と近代化;タイミングが全て―第一次世界大戦と最初の腕時計)宝石をめぐる歴史、ミステリー、人々の熱狂と欲望。なぜ人はこれほどまでに宝石に惹き付けられるのか、そもそも宝石の価値とは一体なにで決まるのか。これまで宝石の鑑定からデザインまで関わってきた、宝石を愛してやまない著者が、時間と空間を越えて、縦横無尽に語る。
Honya Club.com