運命の出会い、悲しい別れ、恋の辛さ、秘密の恋―現代に通じる万葉びとのラブストーリー。国文学者・中西進が厳選した珠玉の"愛"の歌。秋の野のみ草刈り葺き(額田王/巻一・七)紫草のにほへる妹を(天武天皇/巻一・二一)ありつつも君をば待たむ(磐姫皇后/巻二・八七)夕さらば潮満ち来なむ(弓削皇子/巻二・一二一)たけばぬれたかねば長き(三方沙弥/巻二・一二三)小竹の葉はみ山もさやに(柿本人麻呂/巻二・一三三)家にあれば笥に盛る飯を(有間皇子/巻二・一四二)三諸の神の神杉(高市皇子/巻二・一五六)降る雪はあはにな降りそ(穂積皇子/巻二・二〇三)君待つとわが恋ひをれば(額田王/巻四・四八八)〔ほか〕国文学者・中西 進が選んだ、珠玉の「愛」の歌 新元号「令和」の典拠となったことで話題となった『万葉集』。 その日本最古の歌集には、4500余首もの歌が収録されています。 そして、『万葉集』に集められた歌の多くが、 人を思い、恋する――おおらかで自由な恋愛を歌っています。 万葉研究の第一人者、国文学者の中西進が「愛」をテーマに100首を厳選。 原文、現代語訳とあわせ、それぞれの歌に込められた「想い」、歴史的背景や物語などを解説します。 では、一言で『万葉集』とは「何なのか」といえば、 わたしの一言の答えは、 「愛の歌集です」ということに尽きる。 ――(「はじめに」より) 運命の出会い、悲しい別れ、恋の辛さ、秘密の恋―― いまも昔も変わらない、 現代に通じる万葉びとのラブストーリーをぜひ味わってみてください。 ▼紹介されている歌(一部抜粋) 〇〇一 秋の野のみ草刈り葺き宿れりし 宇治の京の仮廬し思ほゆ(額田王/巻一・七) 〇一五 恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき 言尽してよ長くと思はば(坂上郎女/巻四・六六一) 〇二〇
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