怒れる迫害者として、あるいは弱き幼な子として、虐待・暴力から生き延びるために解離した「私」の痕跡たち―彼ら内なる他者との対話を始めるために何ができるのか?サンクチュアリを確保する「段階的治療」と、交代者の対話を起動する「関係論志向アプローチ」からなる、解離治療技法の決定版。第1部 解離性同一性障害を理解する(解離性同一性障害を有する三人の人生と精神療法;力動的無意識と心の解離構造;「(私のなかの)私たち」―解離性同一性障害における人格構造;トラウマ障害としての解離性同一性障害;解離した自己状態、トラウマ、無秩序型アタッチメント;解離された自己状態の構造と精神力動に関連する神経生物学的研究;解離された自己状態―その生成と文脈化)第2部 解離性同一性障害を治療する(解離性同一性障害のアセスメントと診断;段階的治療;治療における共意識と共参加の促進;迫害的交代者との治療作業と攻撃者との同一化;治療的関係―共構築の多次元;解離性同一性障害における夢;解離性同一性障害における自殺傾向;併存疾患と見せかけの併存疾患―重度で硬直した心の解離構造によって生じる問題)怒れる迫害者あるいは弱き幼き子として、虐待・暴力から生き延びるために解離した「私」の痕跡たち……彼ら内なる他者との対話を始めるために治療者には何ができるのか?解離された自己状態は、解離性障害のみならず、境界性パーソナリティ障害、さらには健康度の高い神経症の患者においても経験され、そこでは解離がスプリッティングや葛藤として体験されている。ハウエルが拠って立つ関係論志向のアプローチでは、他者との対人関係から心の構造を理解しようとし、個人の病理は患者の主体と他者の主体との関係から生じ、治癒過程は患者の主体と治療者の主体の相互関係によって
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