特集 独自外交の限界??日・イラン関係決して動かない事実がある。日本社会を支えるエネルギー源は、イランの安定があってこそ日本へと届くということだ。しかし核開発疑惑をめぐり、国際社会とアメリカの思惑は日本の対イラン外交を振り回す。現実を乗り切るための突破口求め、イランとイランをめぐる国々の問題点を探る。必要のなかった戦争??レバノン危機と逆説の構図/山内昌之レバノンの国家としての脆弱性に乗じた外部勢力と結束する「国家内国家」ヒズボッラ?が行なった冒険的挑発により生じた新レバノン戦争。テロとの戦いは、民主的に選ばれた政府が「国家としてのテロ」も辞さないという危険な逆説を内包している。解決にはまず、ヒズボッラ?よりもレバノン政府の方に希望があると市民に示さなくてはならない。中東政治を左右する存在??「ヒズボッラ?」とは何か/末近浩太郷土防衛のための秘密組織として結成され、レバノン内戦中に勢力を拡大したヒズボッラ?。内戦終結後も状況の変化に応じて巧みな舵取りを行なってきた。今回のレバノン危機で、指導者ナスルッラー師を中心とした組織の強い団結と高い士気と規律をみせた。国際政治においてユニークな位置にあるこの組織は、今日の中東政治のダイナミズムを読み解く上で見逃せない存在である。ダメージコントロールに傾注すべき日本外交/田中浩一郎イランの核開発疑惑の出現により、日本の対イラン独自外交は制約を受けるようになった。イランとの友好関係を大事にしてきた日本は今後どのような対イラン外交を展開すべきか。アフマディネジャード政権理解に向けて/坂梨 祥メディアを通して世界が持っているアフマディネジャード政権のイメージと、実際の姿や政治目的との間には大きな隔たりが存在する。強硬な発言は、政治的インパクトを見据えた戦術である。国内では大統領の対外的主張は支持される一方、大統領が「正しい」と考える体制のあり方には批判もあり、一概に「民衆の眼線を持つ」と語ることはできない。政権理解にあたっては反対派の「囲い込み」の現状にも着目すべきだ。米国の「イラン脅威」論と対イラン政策/中西久枝2001年の同時多発テロ以降、アメリカはイランをどのように捉え、政策を決定してきたのか。また日本は今後どのようにイランと付き合うべきか。 その他
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