後深草天皇正元元年(一二五九)までの朝廷中心の編年体の歴史。撰者はわからないが公家であろう。鎌倉後期の成立。十七巻。現在は巻四の冷泉天皇安和二年(九六九)以降しか伝わらない。公家の日記を編纂の材料に使っている点。貴重な資料といえる。天皇を中心に公家の動静・任免死歿の記事が多いが、鎌倉時代の京都の様子を知ることもできるし、在京武士の動静も窺える。嘉元二年(一三〇四)の奥書を載せている金沢文庫系の本文を底本としている。なお、書名は白楽天の詩の「百錬鏡」からとったものであるが、史書を時代のかがみとみる風潮にもよっている。
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