本書は、従来の国際政治学の限界や問題点を超えて進むための出発点を示そうとしている。編者は、批判的な思考を進めるための知的刺激となる力を本書が備えるよう心を砕いた。国際政治に関する知の体系と現実との乖離に疑問や不満を感じている人々に、本書を手にしてもらいたいと考えている。また、編者は本書に、大学の学部での教育と大学院での研究を架橋する役割も期待している。国際政治学や国際関係論に関心をもった学生にとって、入門書の次に読むべきものがあまりにも少ない。本書にはかなり応用的な内容をともなった部分があるが、ひととおり国際政治学あるいは国際関係学を学んだ学部学生や、大学院修士課程の学生が、新たな研究テーマを発見し、さらに考察を深めていくための刺激の源となるはずだ。
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