「みなと」の「み」は「水」、「な」は「〜の」、「と」は「門」の意味。だから『古事記』も『日本書紀』も「みなと」を「水門」と表記した。水門には船が碇泊する。四方を海に囲まれる日本列島にとって、古来「港」は人々の生活に欠かせないインフラとして交通・物流の拠点であると同時に、都市開発や権力闘争の舞台でもあった。本書は、(1)いつ、なぜ、その場所に港が置かれたのか。(2)港の機能や規模とその変遷。(3)さまざまな航路、取引された品々。(4)港に深く関わる出来事と人物ーなどを、古代から中世、戦国、江戸、そして幕末の開港、近現代に至るまで、港湾のプロフェッショナルが「港」の視点で読む斬新な試みである。
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