ニューヨーク市警が地下鉄への緊急防衛作戦を発動した。繰り返されるテロ警報に翻弄される市民。全ての始まりは、盗聴されたテロ容疑者の会話に含まれていた、たったひとつのチャターだった―「地下」。そもそもチャターを聴いたのは誰なのか?それは本当にテロを暗示しているのか?全世界通信傍受システムとして知られるエシュロンと、アメリカを中心とした諜報機関網UKUSA同盟の実態に迫り、我々の日常を取り巻く諜報活動の実態を明らかにする。911以降、なし崩しとなった「安全とプライバシー」のボーダー。果たして諜報機関は我々を守ってくれているのか、それとも監視しているのか、あるいはその両方なのか―。「安全か、プライバシーか」―ポスト911時代の切迫する問題に挑み、もはや日常となった"エシュロン"の全貌とその限界に迫る。1 砂漠のレドーム、ヒース原野のレドーム―エシュロンの姿なきテクノロジー2 リークしたのは私―盗聴されている外交3 自由の足跡―星座のように配置された基地の数々4 黒い電話・灰色の電話―機密が侵される時5 ゴリアテの反乱―通信信号の意味を探る6 凶暴な巨象―プライバシー保護の前線で7 闇の中の声―暴露と密告と8 歯抜けたちの談話室―欧州議会による調査9 ジハードの電話―テロリストに耳を澄ます治安か、人権か…。陰謀説に彩られた全世界通信傍受システム「エシュロン」の全貌とその限界に迫りながら、ポスト9・11時代の「安全とプライバシー」のマトリックスに切り込む問題作。
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