第1章 「大逆事件」と紀州新宮第2章 禄亭と寒村―廃娼論議をめぐっての絆第3章 大石誠之助の言論にみる「半島的視座」と現代―「大逆事件前夜」の紀州新宮第4章 「毒取る」大石誠之助と被差別部落のひとびと第5章 禄亭大石誠之助の視た日露戦中・戦後の熊野新宮の諸相―『牟婁新報』紙への係わりと、書かれざりし「熊野放棄論」の行方第6章 一九〇八、〇九年における、大石誠之助と沖野岩三郎との接点―「新宮はソシアリズムと耶蘇教と新思想との牢獄なるかも」考第7章 高木顕明の紀州新宮時代第8章 「大逆事件」と成石兄弟第9章 堺利彦(枯川)、ふたたびの「熊野行」―遺家族慰安の旅の途中で第10章 西村伊作・「冬の時代」その「思想的」断片第11章 熊野における「大逆事件」余聞―漱石の俳句と大石ドクトル一統、そして中上文学へ近代日本史上、国家権力による最大のフレームアップ「大逆事件」の中心舞台となった紀州・新宮のまちと人々とを、あらゆる角度から照射。その「前夜」と「事件以後」が、豊富な資料と証言、犀利な分析によって甦る。
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