哲学という領域はなく、哲学という次元がある。「本当の哲学では、自然とは何か、社会とは何か、人生とは何かというような、誰もが人間として知っておくべき知識(自然科学概論と応用倫理学)を伝える。哲学史、影響作用史、メタ・サイエンス、メタ・倫理学は専門家が舞台裏で議論の決着をつけて結果だけを世間に伝えればいい。」(本巻解題より)20世紀の思想―マルクスからデリダへ進歩の思想・成熟の思想―21世紀前夜の哲学とは単行本未収録論文(ヘレニズムとヘブライズムの地平分離;私の同時代人アリストテレス;哲学史記述におけるデカルト像の変遷;悪の哲学誌;哲学史とは何か;敗戦後の日本哲学史;精神と知性の五〇年史;環境・情報・生命―現代における哲学の可能性)この巻にはヘーゲル関連以外の哲学および哲学史関係の主要な論著が集められる。『20世紀の思想』(1997年)、『進歩の思想・成熟の思想』(1993年)のほか、長短8篇の単行本未収録論文を収録する。「哲学史は阿呆の画廊である」というヘーゲルのことばに集約される哲学研究(史)が孕む諸問題を日本の哲学現場の実態もふくめて検証し、「哲学史は哲学ではない」と著者は論断する。また独自のデカルト解釈をふまえて丸山眞男の近代主義にたいするよく知られた苛烈な批判も本巻の白眉となっている。目次『20世紀の思想――マルクスからデリダへ』(1997年 PHP研究所刊)『進歩の思想・成熟の思想――21世紀前夜の哲学とは』(1993年 PHP研究所刊)*単行本未収録論文 ヘレニズムとヘブライズムの地平分離 私の同時代人アリストテレス 哲学史記述におけるデカルト像の変遷 悪の哲学誌 哲学史とは何か 敗戦後の日本哲学史 精神と知性の五〇年史 環境・情報・生命――現代における哲学の可能性 著者解題 人名索引
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