第1章と第2章では、作者それぞれの、おとうさんへの思いを。第3章では、5歳から80歳の50人以上のムスメたちに、おとうさんへの思いを語っていただきました。はじめに わたしたちは、ともに「おかあさん」をテーマに、本をかいてきました。そこに登場する「おかあさん」は、幼い頃の二人の母たちがモデルですが、 思い出す情景や母への思いには、共通するものが多く、 違和感なく、ひとつのおかあさん像として描くことができました。その本をかいたあと、あちらから「おとうさん」編を、というお話がありました。でも、かけませんでした。それは、わたしたちの父が、あまりにも違っていたからです。おとうさん像は、ひとつになりませんでした。 最近、わたしたちは、相次いで父を亡くし、それを機に、それぞれに、父への思いをつづってみました。それは、想像通り、まったくといっていいほど共通する点がないものでしたが、もしかしたら、その、 〈まったく違う〉というのが、 「おとうさん」というものなのではないか、という思いにいたりました。もちろん、おかあさんだって、いろいろです。でも、「おとうさん」という存在は、もっと〈それぞれ〉ではないかと。なので、この本の第1章は、なかがわの「おとうさん と あたし。」、 第2章は、ムラマツの「おとうさん と あたし。」。 両極端な、おとうさんとの間柄、おとうさんへの思いです。そして第3章では、多くの方々に、「ムスメから おとうさんへ。」と題して おとうさんへの思いを語っていただきました。この本が、「あなたと あなたのおとうさん」を考えるきっかけになりましたら、うれしく思います。
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