・ウイルス肝炎のうち、A型肝炎とE型肝炎は経口感染により発症することが知られている。A型肝炎は上水道の完備に伴い、加熱不十分な海産物からの感染が主な感染経路であり、現在も一般生活者では最も多い感染経路である。
・発展途上国への渡航の際はHAワクチンの接種が強く推奨されている。グローバル化の進むなか、HAワクチンの接種と並び、抗ウイルス薬の開発が進められている。
・E型肝炎は診断キットの開発・上市に伴い、急性肝障害のかなりの割合を占めることがわかってきた。ウイルス増殖のメカニズムが詳細に解析できるようになり、治療薬、さらにはワクチン開発などが加速した。
■ A型・E型肝炎の最新動向
・はじめに
A型肝炎
・最近のA型肝炎の疫学・臨床像・診断の特徴
〔key word〕アウトブレイク、性感染症、伝染性単核球症、IgM-HAV抗体
・A型肝炎の予防と治療
〔key word〕A型肝炎ウイルス(HAV)、重症化、ワクチン
E型肝炎
・E型肝炎ウイルスに関する最近のトピックス
〔key word〕E型肝炎ウイルス(HEV)、準エンベロープ型HEV(eHEV)、非エンベロープ型HEV(neHEV)、組換えレポーターウイルス、薬剤スクリーニングシステム
・最近のE型肝炎の疫学・臨床像の特徴
〔key word〕E型肝炎、水系感染、経口感染、IgA-HEV抗体、acute-on-chronic hepatitis
・E型肝炎の遺伝子診断・ゲノム解析
〔key word〕E型肝炎ウイルス(HEV)、HEV genotype、HEV subtype、Nested RT-PCR法、リアルタイムRT-PCR、サンガー法、次世代シーケンス法(NGS)
・E型肝炎ウイルスワクチン開発の現状
〔key word〕経口感染肝炎、動物由来感染、組換えキャプシドタンパク質、ウイルス様粒子(VLP)、動物モデル
●TOPICS
皮膚科学
・Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症における好中球の役割
疫学
・ナショナルデータベースを用いた中心性漿液性脈絡網膜症の疫学
腎臓内科学
・蛋白尿発症の分子メカニズムーーネフローゼ症候群の成因
●連載
バイオインフォマティクスの世界
・13.やってみようバイオインフォマティクスーーSNP解析編
〔key word〕SNPs、SNP変異検出、ゲノムワイド関連解析、仮想マシン
人工臓器の最前線
・はじめに
・1.植込型補助人工心臓ーー重症心不全治療における役割
〔key word〕重症心不全、植込型左室補助人工心臓(LVAD)、実施基準、destination therapy
●フォーラム
中毒にご用心ーー身近にある危険植物・動物
・17.イヌサフラン、グロリオサ(コルヒチン)--球根や塊茎を誤って食べると……
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