アルペジョーネとギターによるシューベルトのアルペジョーネ・ソナタ!
19世紀初頭のウィーンではギターという楽器がもてはやされ、1820年頃、ギター製作者のヨハン・ゲオルク・シュタウファーの作る楽器が品質の高さで注目を集めていました。彼はギターをモデルにしながら寸法の大きい、弓で弾くタイプの6弦の楽器を発明。ウィーンの音楽新聞「Wiener allgemeine musikalische Zeitung」が1823 年3月1日号で「ギターレ・ダモーレ(Guitarre d'Amore)」として紹介しました。シュタウファーは「アルペジョーネ」とも呼ばれるこの楽器のための作曲を、ウィーンのギター奏者たちの間で名を知られていたシューベルトに依頼。『アルペジョーネ・ソナタ』が作られました。
フィンランドのマルクス・クイッカとニクラス・メルベリのアルバムでは、シューベルトのこの作品とジュリアーニのフルートとギターのための作品が、アルペジョーネとギターによって演奏されます。
マルクス・クイッカ[1959-]はヘルシンキを本拠とするヴィオラ・ダ・ガンバ奏者です。ガンバ・アンサンブル「ジェイ・コンソート・ヘルシンキ」の音楽監督を務め、シベリウス・アカデミーとエストニア音楽アカデミーで教えています。クイッカは万能の音楽家として知られ、特に「忘れられてしまった」歴史的楽器による演奏を得意としています。ギター奏者のニクラス・メルベリもヘルシンキで活動しています。時代にあわせた撥弦楽器により、ルネサンスから現代まで幅広いレパートリーを手がけています。
シューベルトの『アルペジョーネ・ソナタ』は、ピアノ・パートをメルベリが編曲した「アルペジョーネとギター版」による演奏。ほとんどが16小節で書かれたピアノのための小品集『オリジナル舞曲(最初のワルツ)』は、シューベルトあるいは出版者のアントン・ディアベリがフルートまたはヴァイオリンとギターのための編曲を作ったと言われます。マウロ・ジュリアーニ[1781-1829]は、当時もっとも有名なギター・ヴィルトゥオーゾのひとり。彼の作品から『変奏曲』と彼が編曲した『オリジナル行進曲』から3曲、ロッシーニの歌劇『セミラーミデ』のアリアが演奏されます。(輸入元情報)
【収録情報】
● シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821(1824)〜アルペジョーネとギターによる(ピアノ・パート編曲:ニクラス・メルベリ)
● シューベルト:36のオリジナル舞曲 D.365, Op.9
● ジュリアーニ:変奏曲 Op.84〜フルートとギターのための
● オリジナル行進曲/ジュリアーニ編〜フルートとギターのための
第5曲:プロイセン行進曲
第7曲:スウェーデン行進曲
第8曲:スウェーデン行進曲
● ロッシーニ/ジュリアーニ編:歌劇『セミラーミデ』〜「あの悲しみに沈んだうめき声は」
マルクス・クイッカ(アルペジョーネ/Caroline Zillmann, Meissen 1999 / Bow: Rudiger Pfau, Plauen 1999)
ニクラス・メルベリ(ギター/Gary Southwell, North-ampton 1992)
録音時期:2011年12月2-4日
録音場所:フィンランド、カルペロ、Nordic Audio Labs Studio
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作:マルクス・クイッカ、ニクラス・メルベリ
録音エンジニア:マルティン・カントラ
編集・マスタリング:オッリ・オヴァスカイネン(2022年 dBO-studio)
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