一歩間違えば奈落。目に見えぬ運命の岐路、生死を分ける辻の如き場所や瞬間がこの世には張り巡らされているのかもしれない。夜道で何者かに浚われ見知らぬ家の床下に放り込まれた少年。何とか逃げ出し帰宅するも、後日気になって家を探してみると怖ろしいことが…「神隠しの正体」、実の姪に邪な愛情を抱いていた叔父。叔父の死後、彼女の周りに漂う濃密な気配と襲い掛かる不幸…「叔父と彼女」、石炭事業で富豪となった名取家。のちに没落し借金取りから逃げる生活となるも、名取家を怨んで自殺した男の血を吸った屋敷の表札がどこからともなく現れて…「名取家」他、生と死、日常と異界、幸と不幸の境界線を見つめるキワどくも不気味な実録恐怖譚!
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