・薬物相互作用は、薬物の組み合わせによらず起きているものと考えられるが、血中濃度変動の程度が大きい組み合わせ、厳しい副作用が生じる組み合わせなどが、いわゆる“飲み合わせ”が悪いものとして特に注目される。
・本特集では、医薬品規制調和国際会議により策定された薬物相互作用評価のためのガイドラインの歴史的背景から最新の動向にはじまり、比較的機序がわかっているものが多い薬物動態学的相互作用を中心に紹介していただく。
・近年急速に進みつつある、バイオマーカーをいかした定量的予測、モデリング&シミュレーションなどの最新の話題を含む本企画が、読者の先生方の薬物相互作用の理解の一助になれば幸いである。
■ 医師が知っておくべき薬物相互作用の最近の話題
・はじめに
・薬物相互作用ガイドラインーー策定の背景と国際調和に向けた最新の動向
〔key word〕薬物相互作用、医薬品規制調和国際会議(ICH)、ガイドライン、医薬品開発、適正使用
・薬物代謝酵素と薬物相互作用
〔key word〕シトクロムP450、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)、代謝阻害、酵素誘導
・薬物トランスポーター介在性薬物相互作用評価のためのバイオマーカーと定量的予測方法
〔key word〕薬物トランスポーター、肝排泄、消化管吸収、内在性バイオマーカー、クリプト由来分化細胞、Cluster Gauss Newton法
・Pharmacokinetic booster
〔key word〕リトナビル、コビシスタット、HIVプロテアーゼ阻害薬、CYP3A、P-糖タンパク質(P-gp)
・薬物と食品成分間の相互作用
〔key word〕薬物ー食品成分間相互作用、薬物代謝酵素、トランスポーター
・臨床現場における薬物相互作用とマネジメントーーPharmacokinetic interaction significance classification systems(PISCS)の提案
〔key word〕薬物相互作用、マネジメント、シトクロムP450(CYP)、PISCS
・特定の背景を有する患者における薬物相互作用ーー薬理遺伝学的多型、腎障害、肝障害
〔key word〕薬物相互作用、薬理遺伝学的多型、腎障害、肝障害
●TOPICS
糖尿病・内分泌代謝学
・「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」のキーポイント
神経内科学
・虚血性脊髄障害の病態生理の新たな知見
●連載
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・9.ビフォーコロナからウィズコロナへ、オンライン診療のこれまでと課題
〔key word〕デジタルヘルス、デジタル療法(DTx)、デジタルリテラシー
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・17.戦禍のなかで誕生する新しい命ーーパレスチナからのメッセージ
医療MaaS--医療と移動の押韻
・5.自治体の生きがい
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
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