一〇世紀の中国は、分裂から統一への激動の時代であった。世紀はじめに唐朝が崩壊し、五代十国とよばれる乱世が半世紀も続き、幾多の武将が覇権を求めて抗争をくりかえした。この混乱をおさめ、ふたたび中国を統一したのは、宋の太祖と太宗とであった。二人は統一事業を遂行するなかで、唐代の貴族制に代わる新しい君主独裁体制を完成した。その歴史上の役割は、わが豊臣秀吉と徳川家康とに似るといわれる。本書は、激動の世に生き、新しい時代をきり開いた二人の皇帝の生涯をたどり、その人間像を鮮明に浮かび上がらせた労作である。
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