宗教改革(1517年)の始まる直前にヴィッテンベルク大学で講解された「ローマ書講義」(1515-16年)は、32歳の青年ルターの思想が力強く説かれ、信仰によって義とされる信仰義認論を中心に宗教改革的精神の生成過程が見事に結実している。本書では「良心概念」、「フミリタス概念」、「義人にして同時に罪人」、「愛の秩序」など主要テーマに光を当て、その意義を明らかにする。「宗教改革」は知っていても、内容を承知しない読者にとり、ルター独自の宗教経験と改革の真髄を理解するための貴重な一書となろう。
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