自分は依存症かもしれないと思ったことがある人や、家族のとまらない行動に困っている人はたくさんいるだろう。メディアでは有名人の薬物やアルコール問題が頻繁にとりあげられ、「依存症」という言葉は広く知られているが、今なお「依存症=意志の弱さ」ととらえられがちだ。かつて摂食障害の当事者でもあった著者は、現代の資本主義社会において、「依存をめぐる行動はこの社会の中で必然的に生じる行動パターンのひとつ」と述べる。本書では、当事者コミュニティ(薬物依存の回復支援施設「ダルク」、依存症からの回復のための世界規模の共同体「十二ステップ・グループ」)における回復実践をみていきながら、これらが示す人類の新たな共生のあり方、そして「弱さから善さへと向かう意欲の物語」を描き出す。
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