本書は筆者が東京工業大学の3年生を対象とした「鋼構造の設計」の講義ノートをベースとしてまとめられたもので、大学の学部学生のための教科書としてだけでなく、鋼構造物の設計や施工に従事している実務家の便覧的な役割ももたせるため、できるだけ道路橋示方書などの基準類との関連について触れるように、また、関連する資料類も含ませるようにした。疲労設計について詳しく記述した。鋼構造物をていねいにメンテナンスしながら使い続ければ、最終的には疲労によりその寿命を終わることになる。道路橋の設計にも疲労設計が取り入れられることになっており、本書の関連する個所に疲労に関する考え方を記述した。製作やメンテナンスについても、できるだけ記述することとした。鋼構造物の疲労や破壊現象を説明するのに有効な手段となっている破壊力学についても記述した。鋼構造の歴史鉄と鋼鋼材の力学的性質鋼材の規格と鋼種の選定引張部材ロープとケーブル柱部材局部座屈曲げ部材加工溶接継手溶接継手の強度と設計高力ボルト継手防せい・防食破壊力学の応用鋼材の構造材料としての基本的な性質から入り,鋼構造部材の設計に関わる基本的な力学を説明し,その後鋼構造の特徴である溶接やボルト継手の基本的な事項とその設計,施工について解説した。○テキスト使用だけでなく,設計や施工に従事している実務家の便覧的な役割も持たせた。○疲労設計について詳しく記述した。○制作やメンテナンスも配慮して解説した。○鋼構造物の疲労や破壊現象を説明するために,破壊力学についても言及している。
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