本稿では、理系学者が、自然科学の知識を駆使して『魏志』倭人伝を読み解き、女王卑弥呼が都した邪馬台国に到りました。邪馬台国は謎ではない。邪馬台国の所在地をいつまでも謎のままにしておいて、それを追い求め続けることが日本人のロマンではない。邪馬台国は、ここにあったのです。邪馬台国探索の旅はここに終点を迎えたのです。巻1 女王卑弥呼の都する邪馬台国に到る(魏の返礼遣使団の来訪;「順次読み」の筆法;「南至邪馬臺国女王之所都水行十日陸行一日」 ほか)巻2 「卑彌呼以死」を考える(建武中元二年の倭奴国王の朝賀;志賀島における金印秘匿の謎をとく;「倭國亂相攻伐歴年 乃共立一女子爲王名曰卑彌呼」 ほか)巻3 記紀神話にみる『魏志』倭人伝外伝(女王即位前の卑弥呼と卑弥弓呼;『魏志』倭人伝「卑彌呼以死」と記紀神話に見る天照大神の天石屋戸隠れ;台与の政治 ほか)倭国の女王卑弥呼と狗奴隷国王卑弥弓呼との不和。それを契機とした北九州の争乱。諜略や係争を含んだ全3部を通して記紀神話の原型が明らかになる。第1部女王卑弥呼の都する邪馬台国に到る。 『魏志』倭人伝の新読解による卑弥呼の邪馬台国の比定。朝鮮から倭国にわたる船中にて、一行が見聞し た九州北岸の諸国の位置を壱岐沿岸から「順次読み」の叙述スタイルで記述したものと読解した。第2部「卑弥呼以死」を考える。 倭国の女王卑弥呼と狗奴隷国王卑弥弓呼との不和。それを契機とした北九州の争乱。諜略や係争を含んだ 外交努力の痕跡をたどり、卑弥呼の死の葬礼と争乱の収束を壮齢とを以て収束する係争の終わりを説く。 第3部 記紀神話に見る『魏志』倭人伝外伝 倭国の女王卑弥呼と狗奴隷国王卑弥弓呼との不和を天照神話の原型とする。天照の孫の饒速日命と物部一 族の東遷が神武東征の原型で
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