この本では爆発性物質中を伝播するデトネーションを扱う。熱力学と流体力学の予備知識を持ったエンジニアや大学院生の方々を主な対象とするが、現象の大部分を定性的に記述し、物理的な側面を丁寧に説明するので、より広く、多くの方に手にとっていただくことができると信じる。はじめの章では、理想的なデトネーションの古典的理論を記述する。これらの理論によって、デトネーションの伝播速度、デトネーションの前後の気体の物理特性、デトネーションの伝播速度、デトネーションの前後の気体の物理特性、デトネーションそれ自体の内部の流体物理量の分布を決定できる。多数の実験結果と多次元の数値計算結果も示し、混合気を充填する容器のデトネーション波の伝播への影響を議論する。最後に、デトネーション波の多様な形成過程や、デトネーション研究における重要問題と今後の方向性を示す。1 はじめに2 デトネーションとデフラグレーションの気体力学理論3 デトネーション生成物の動力学4 デトネーションの層流構造5 不安定デトネーション:実験的観測6 デフラグレーション・デトネーション遷移(DDT:deflagration‐to‐detonation transition)7 デトネーションの直接起爆デトネーション研究を長年リードしてきたJohn H.S.Lee(カナダ Mc Gill大学)による"The Detonation Phenomenon"(Cambridge University Press, 2008年)を抄訳。爆発的な燃焼現象であるデトネーション(爆轟)現象を定量的・定性的に記述し、物理的側面を丁寧に解説しており、これから系統的に「デトネーションとは何か」を学ぼうという読者には最適です。近年活発に進められているデトネーションの推進工学分野等への応用研究、エンジンの開発、水素の利用、工場・倉庫等における爆発
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