金融緊急措置は、昭和21年2月に発動された「経済危機緊急対策」の中心をなすもので、とくに流通銀行券をほぼ全面的に預金させ、これを封鎖して銀行券の切り換えを行い,他方、財産税の課徴、その前提として個人・法人の金融資産の悉皆調査を行うというのは、今から考えてみても相当な荒仕事だったといえる。大蔵省の歴史のなかでも、金融緊急措置は未曾有の経験だったが、極めて短期間に組織的かつ精力的に立案され、関係の法令や手続の細目が体系的に組み立てられ、そしてその実施もおおむね所期のとおり行われた。この100年に一度あるかどうかという緊急措置について、その立案から実施にいたる過程の正確な記録を残しておくことは、歴史的な研究のためにも、行政の参考としても、大きな意義があるものと思う。本書の特色は、その政策の形成過程に即して資料の構成をおこなったことである。戦後インフレ諸対策の立案緊急措置の綜合化過程緊急措置ノ法令化過程緊急措置の発動過程英文資料
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