かつて人気弁護士ランキングのトップを独走した男が、企業と国の「ガバナンス」を問い続ける理由とは?原発被害賠償請求で東電を相手にし、1票の格差訴訟で国と戦う特異な弁護士の物語。第1部 全身弁護士クボリ(弁護士になるまで;歩いた後に道ができる―弁護士と起業家精神;孤独なトップランナー)第2部 闘争業としての弁護士(ライオンと防弾チョッキ;疾風怒涛のバブル戦記;革命は辺境から―弁護士とイノベーション;攻めのガバナンスを求めて―東電賠償請求・1票の格差訴訟;私の人物論)「闘うビジネス弁護士」の代表格で、人気弁護士ランキングの常連だった著者(久保英明)の自伝的ノンフィクション。 埼玉県大宮市(現・さいたま市大宮区)の質屋の息子に生まれた正義漢あふれる少年が、弁護士を目指し、企業と癒着していた総会屋や暴力団との修羅場を乗り越えてトップ弁護士になり、現在は東電原発被害賠償請求や国を相手取った1票の格差訴訟、第三者委員会調査報告書格付け、医療法人や社会福祉法人のガバナンス改革など多彩な活動に注力する姿を描く。牛島信、河合弘之、中村直人各弁護士などの証言「私のクボリ論」を多数収録。 以下は本書からの引用。 「日本一黒い顔の弁護士」 「日本一派手なネクタイと派手なスーツを着た弁護士」 もちろん、これは私のことだ。記者会見に同席する私の様子をテレビで観た人は、その発言よりも、まず容姿に強烈な印象を受けるようだ。ヤクザ相手の債権回収や総会屋相手の株主総会指導などを手掛けていたから、こうなったというわけではない。ただ、総会屋が記憶に刻まれた私の顔を見て「あいつがいる」と逃げ腰になったことは事実。株主総会の場に私がいるだけで、魔除け、総会屋除けになった。 このスタイルのまま、私は1995年に日経ビジネス誌の
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