新中国建国から文化大革命前夜までの約二〇年間、文化・思想政策と政治運動の中で翻弄される中国知識人たちの波乱の人生。中国はなぜスターリン体制の悲劇を免れなかったのか。民主と自由への強い希求が現体制批判への結集力となりながらも、毛沢東の呪縛の前に抑圧・瓦解されていくのは、どういう論理と心理によるものか。徹底的な資料調査に基づき、知識人たちの生態を同時代の同伴者として掘り起こし、歴史の真実に迫るドキュメンタリー。序章 いばらの道は果てしなく、行く手に光なお見えず1 建国前後―輝きの中の影2 映画『武訓伝』批判―芸術批判の始まり3 蕭也牧「われわれ夫婦の間」―「小ブルジョア思想」批判4 「思想改造」から「三反」「五反」へ―「思想批判」の論理と「立場」5 「紅楼夢」研究批判―学問と思想6 胡風批判と「胡風意見書」―「異端」文学者集団の足跡7 胡風事件と毛沢東―「小集団」から「反革命集団へ」8 丁玲批判―不条理と抵抗9 スターリン批判と中国―ポーランド・ハンガリー事件の衝撃10 「百花斉放・百家争鳴」―夭折した可能性11 「反右派闘争」なぜ中国はスターリニズムの悲劇を免れなかったのか、思想家たちはなぜ社会主義イデオロギーにからめとられたのか。中国建国から大革命に到る精神史を通し、解答を探る。
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