福島県いわき市には、完成しない美術館がある―著者がそこで出会ったのは"すごいおっちゃん"こと実業家の志賀忠重と、現代アート界の巨星・蔡國強。志賀は美術館の周囲の山に99,000本の桜を植えていると言う。一体なぜそんなことを?始まりはふたりの友情。そして東日本大震災への怒りを鎮めるためだった―。型破りな男たちの奇跡の実話!第16回開高健ノンフィクション賞受賞作。生まれながらの商売人 いわき・一九五〇年風水を信じる町に生まれて 泉州・一九五七年空を飛んで、山小屋で暮らす サンフランシスコ・一九七六年爆発する夢 泉州・一九七八年ふたつの星が出会うとき 東京・一九八六年時代の物語が始まった いわき・一九九三年キノコ雲のある風景 ニューヨーク・一九九五年最果ての地 レゾリュート・一九九七年氷上の再会 レゾリュート・一九九七年旅人たち いわき・二〇〇四年私は信じたい ニューヨーク・二〇〇八年怒りの桜 いわき・二〇一一年龍が駆ける美術館 いわき・二〇一二年夜桜 いわき・二〇一五年空をゆく巨人 いわき・二〇一六年現代美術の世界的スーパースター蔡國強と、世界最大99000本の桜を植える福島の男。夢に挑み続けるふたりの"巨人"の奇跡の実話。福島県いわき市の実業家・志賀忠重と、中国福建省出身の世界的現代美術家、蔡國強。二人は、1980年代にいわきで出会い、数々の驚くべき「作品」を生み出してきた。砂浜に埋もれた木造船を掘り出した作品、海に導火線を置いて走らせた炎……蔡が描いたスケッチを、日頃アートに縁のない志賀らが頭と体を使って形にしていく――いわきは蔡が世界に羽ばたくきっかけとなった。そんな二人の最大の作品が、東日本大震災後に制作した「いわき回廊美術館」だ。美術館周辺の山々では、志賀が、99,000本の桜を250年
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