日本のみならず、海外にもその名が知れわたるようになっていた黒澤明の二四本目の監督作品。山本周五郎の「赤ひげ診療譚」を原作に、江戸時代の養生所の医師と見習い、そして患者たちの姿が赤裸々に描かれる。ヴェネチア国際映画祭サン・ジョルジョ賞受賞。黒澤明『赤ひげ』を語る『赤ひげ』作品解説黒澤明プロフィール監督の視線で語る黒澤映画 山田洋次(映画監督) 『赤ひげ』は一番見事なシンフォニー。特別企画・誌上トークショー1 加山雄三「黒澤さんが赤ひげで、僕が保本だった。」特別企画・誌上トークショー2 香川京子「どうして、私が、こういう役を?と(笑)。」三船敏郎プロフィール加山雄三プロフィール二木てるみ・内藤洋子プロフィールスタッフ紹介―山本周五郎・村木与四郎・森弘充〔ほか〕巨匠名作に挑む。これぞ黒澤映画の集大成! 60年代前半、「用心棒」「椿三十郎」「天国と地獄」と立て続けに話題作を発表し、世界的な評価をゆるぎないものにした黒澤明が、文豪・山本周五郎の原作と四つに組み、渾身の力で送りだしたのが「赤ひげ」だ。実在した小石川養生所のほぼ実物大のセットを撮影所に築いた黒澤は、クランクイン数ヶ月前からスタッフ総出で建物の柱や床を磨き、経年変化のリアリティーを作り上げたという。映画がもっとも活気を持っていた時代へのオマージュを込めて、山田洋次が「赤ひげ」制作の過程を語る。出会いのシーンで満天を覆って降り続く雪や、地震で崩壊した江戸の町など、今日ではCGでなければ作れない壮大な映像美から、人を刺そうとする狂女が振りかざす簪に宿る光という一瞬のタイミングまで、黒澤のこだわりはその極致を迎える。まさに悪魔のように大胆にして天使のように繊細なその撮影現場の思い出をを野上照代が書き下ろす。カメラに映ることのない引き出
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