収容主義の精神医療は、患者と治療者、そして患者と社会の関係に何をもたらすのか?イタリアにおける精神病院廃絶の中心人物となった精神科医フランコ・バザーリアの思想の全容、その肉声。不安と自己欺瞞―神経症者の人間状況施設化空間としての精神病院解体―「閉鎖空間」の屈辱と自由、「オープンドア」システムの検討身体、まなざし、そして沈黙―精神医学における主観性の謎施設精神医学の問題―社会‐精神医学的カテゴリーとしての排除神経症者の表現としての身体イデオロギー―神経衰弱型神経症身体と施設―施設精神医学の課題に関する人類学的、精神病理学的考察施設の危機か?精神医学の危機か?『精神医学とは何か?』序文最終解決暴力の施設事件/事故の問題施設管理と運営の問題写真集『ありえない死に方』序文ニューヨークからの報告―人工患者逸脱したマジョリティ平和時の犯罪混乱した行為―社会的諸関係におけるその機能『桑園』序文〈精神医学における自由の発見は、精神病院の外に出た精神を病む人の問題を生み出した。事実、人々は至るところに鉄格子、鍵、扉があり、技術もなく、時には人間性もない医療従事者の壁があることに感謝してきた。それでも問題は、とにかく扉を開くことである〉イタリア精神医療改革の父と呼ばれ、公立精神病院の廃絶を定めた「精神保健に関する法律180号」成立の中心的人物となった精神科医、フランコ・バザーリア。本書はバザーリアの妻であり、彼の改革運動を支えつづけたフランカ・オンガロによって編まれた著作集である。精神病院は患者と治療者の関係を規定し、また同時に多くの専門家・技術者を生み出し、彼らに患者の管理と病棟の秩序維持を委ねてきた。本書に収められた18篇の論考は、バザーリアがいくつもの精神病院の経験からいかに精神病院の廃絶=脱
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