航空戦の時代を予見し、真珠湾、ミッドウェー、南太平洋海戦を指導した草鹿は、横須賀の司令を経て、連合艦隊参謀長として起死回生のあ号作戦を立案するも惨敗する。その後、最後の航空艦隊司令長官を務めた草鹿が、山本五十六との絆、宇垣纏との確執、源田実への気兼ねなど艦橋内の人間関係を入り混ぜ、奮戦と壊滅の真相を描く。第1部 真珠湾攻撃(十ヵ月前から計画;機動部隊出動;米退避用艦隊覆滅;内地帰投)第2部 南西方面からインド洋へ(上陸部隊のお先棒をかついで;英艦隊掃蕩の命くだる)第3部 ミッドウェーの敗戦(戦局、持久戦にはいる;運命決す五分間の遅速;敗戦のもたらしたもの)第4部 ソロモンの死闘(全戦局崩壊の端緒;大勢を決する天王山;悲惨な米海軍記念日;横須賀海軍航空隊司令として;ラバウル航空要塞)第5部 敵反攻主力の撃滅へ(作戦を拘束する燃料不足;「あ号作戦」を指示;要衝・ビアク島争奪戦;「あ号作戦」決戦準備を号令;攻略の手「サイパン」にのびる;小沢部隊、空母群をつかむ;理屈に勝ち智慧に敗る;作戦失敗のあと)第6部 レイテ沖海戦(総力戦に突入;一寸刻みの本土進攻;比島攻略の意図明確;巨艦群、レイテの決戦場へ:あわれ「日本艦隊」の末路)第7部 戦局、大詰めに近づく(硫黄島遂に陥つ;沖縄守備隊全滅;本土決戦体制進む;「草鹿機関」)第8部 終戦・特攻三五〇〇機の終末(復員、平穏裡に完了;進駐軍との折衝 ほぁ)附録 鵬翼万里(海軍航空発達の思い出)航空戦の時代を予見した草鹿は、艦隊参謀長として真珠湾、ミッドウェー、南太平洋海戦を指導した。横須賀の司令を経て、連合艦隊参謀長として起死回生のあ号作戦を立案するが、惨敗する。宇垣纒や源田実などとの対立や確執を描く太平洋戦争秘話。〈解説〉戸高一成
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