華やかに開催されるはずだった「復興五輪」に襲いかかったウイルス禍。一年後、パンデミックのなか無観客で実施された祝祭に覆い隠されたものとは―。五輪準備で公園を追い出された野宿女性、困窮相談に届いた「臓器を売りたい」という声、聖火リレーが通る予定だった震災から九年目の福島。止まった日本を歩いた二年間の記録プロローグ 幻の五輪出場を追憶する (久江雅彦)第1部 二〇二〇年 未知のウイルス、延期された五輪と止まった日本(野宿していた公園を、オリンピックによって追い出された女性;長野・千曲川台風被害 二度失った「ふるさと」;出陣学徒壮行の地 戦場の扉だった競技場;3・11から九年 今も震災直後の光景が残る福島;所持金一三円、緊急事態宣言下のネットカフェ生活者;千葉・南房総 三度の台風被害、続くコロナ禍の二重苦;「原爆の子」の弟 聖火ランナーを目指して;コロナ禍の沖縄 那覇の子ども食堂;住民票のないホームレスには届かない特別定額給付金;パラリンピックを目指す全盲のランナー;北海道・釧路 自主夜間中学から見えるオリンピックの姿;「消滅可能性が最も高い」 群馬県南牧村;宮城県・気仙沼 二人残った親子のバッティングセンター;コロナ禍に追いつめられるクルド人家族;ヴィジュアル系バンドから歌舞伎町ホストへ)第2部 二〇二一年 コロナ禍で強行された東京五輪(遠隔操作ロボット OriHime が開く世界;陸前高田 逸品の牡蛎にコロナが襲いかかる;福島県浪江町津島 ふるさとを失って―帰還困難区域の今;埼玉県三郷市 コロナ重点医療機関から見えたもの;なぜ五輪ボランティアを辞退したのか;千葉県いすみ市・サーフィン会場周辺 近くて遠いオリンピック;広島名物・もみじ饅頭「にしき堂」 今が一番の危機;東京・品川
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