「戦争だけはしたらあかん。今まで漁業して来られたのも、平和やったから。このことはみんな忘れたらいかん」。一介の漁師の呟きだからこそ千鈞の重みを持つ。多年にわたる聞き書きによって、漁師や女たちの「昭和」の日々を浮彫りにした辺地への旅。石狩、浜益濃昼行(北海道浜益郡浜益村)北の海にイカを追う(青森県下北郡大畑町)外房に生きて―ある老夫婦の話(千葉県鴨川市横渚)タコが主役の村祭(三重県伊勢市有滝町)伊勢湾の渚とともに(三重県多気郡明和町・鈴鹿市千代崎・桑名市赤須賀)初秋、奥熊野行―須賀利、須野を訪ねて(三重県尾鷲市須賀利町・熊野市須野町)歩かせ袋の浮ぶ海―舟屋のまちで(京都府与謝郡伊根町)岡山、児島の海は今(岡山県岡山市郡・玉野市玉)家船のまちを訪ねる(広島県尾道市新浜・広島県豊田郡豊浜町)コノシロ網を曳く夫婦(熊本県本渡市志柿町)嘉例吉のまち糸満へ(沖縄県糸満市糸満)辺境の女たち(長崎県対馬市豆酘・浅藻)「戦争だけはしたらあかん。今まで漁業して来られたのも、平和やったから」。一介の漁師の呟きだからこそ千鈞の重みを持つ。本書は多年にわたる聞き書きによって、漁師や女たちの「昭和」を浮彫りにした辺地への旅。
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