地球は、本来的に現存在へと開放されたものである。しかし、近代における科学技術の発展は、地球を道具的なものと捉え、その環境を破壊し、動物の住処を奪い、人工的な物質の豊かさの一方で人の生活を「非詩的」なものに陥れている―。ハイデガーの思索を辿り地球における「詩的に人間の住まう」ことについて哲学的再考をうながす本書は、今日のすべてのものを数量化して測る現代社会に対して新たな視座を提供するだろう。第1部 地球を思う(罪という管理テクノロジー:ハイデガー的反省への呼びかけ;ハイデガーとエコロジー;地球―思考と変革;地球を歌う;地球の呼び掛け:贈り物と(遅れてくる)応答)第2部 動物と世界(「沈黙の春」という言葉:動物性と言語の起源に関するハイデガーとハーダー;「世界映像の時代」における環境管理;存在の羊飼いとしての人間:ハイデガーの哲学と他者としての動物)第3部 詩作と住まうこと(建設を思索し詩作する路:地球上の人間の不気味さ;何も起こらないところで:ハイデガーとアレラノの詩的空間について;出会いの場所;「Ereignisを食す、あるいは、郊外の芝生での会話」;日常的な謎)
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