女優・演出家として知られる長岡輝子の22歳から80歳までの起伏に富んだ自伝。昭和6年、テアトル・コメデイの結成によって彼女に新劇への情熱の火を点した金杉と、彼の死後、その火を絶やすことなく彼女を支えつづけた篠原というタイプの異なる男性の話を軸に、兄弟姉妹のこと、麦の会や文学座での主要な仕事、岸田国士、岩田豊雄、久保田万太郎、山辺道夫、飯沢匡、福田恆存、三島由紀夫、木村光一、伊藤熹朔、森雅之、十朱久雄、友田恭助、田村秋子、杉村春子、芥川比呂志など、多彩な人びととの交遊やエピソードをキラ星のごとくちりばめる。昭和6年、テアトル・コメディ結成理想的な劇団をめざした金杉惇郎友田恭助からの新劇団結成の誘い自作「マントンにて」の演出で文学座に入る飯沢匡「北京の幽霊」の大ヒット徴用逃れに勤めた銀座の那珂書店電撃的だった篠原玄との再婚水は清らか、豊かな恵みを与えてくれた霞ケ浦芥川比呂志からの手紙と麦の会麦の会の文学座合流のいきさつ岸田国士の雲の会と福田恆存のデビュー川上澄生の版画入り詩集「詩暦」の出版川端康成のノーベル賞受賞を口惜しがった三島由紀夫60年安保とジャン・ルイ・バローの公演文学座の分裂劇と久保田万太郎の死退くに時あり―文学座を去るの辞「長岡輝子の会」の自由な活動「わが町溝の口」「転生」の翻案と上演キヨとみをちゃんの素的な生き方二人の夫への感謝の祈りテアトル・コメディ上演記録長岡輝子年譜〔ほか〕
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