「自分が大事にしている価値や倫理は、政治の世界には存在しない」。著者ルブランが東京都練馬区でたびたび気づかされたのは、主婦たちのそうした見方であった。主婦の女性たちは、自分は自転車に乗る「ふつうの市民」であり、タクシーに乗る政治家(それはたいてい男性である)とは違うと思っている。新たな公共空間を構想し、シティズンシップやジェンダーの問題にも多様な示唆を与える、画期的な日本政治論をついに完訳。第1章 「真理とは女性である」と仮定したら?第2章 「ふつうの主婦」のアイデンティティ第3章 主婦とシティズンシップ第4章 政治に抗うボランティア活動第5章 「主婦らしい運動」へ向かって―生活クラブ生協の「生活者」政治第6章 小野清子の選挙運動―エリート政治のなかの「ふつう」の主婦結論日本の主婦は「政治」をどう見ているのか。練馬区大泉に身を置いたアメリカ人女性政治学者、ルブランがそこで見たものとは。シティズンシップやジェンダーの問題にも、多様な示唆を与える日本政治論、完全邦訳。
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