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【書籍説明】 中国の歴史は、「群雄と群雄」「国と国」という争いが続き、後になるほど「民族と民族」という単なる力の優劣では語り切れない複雑な様相を呈し始めてくる。中国は陸続きの地理に恵まれ、様々な異文化を吸収していきながら現在の多種多様な文明を築いてきた。その裏では、英雄譚や漫画では決して語られない苦心の外交が繰り広げられていたのだ。 『三国志』では、袁紹や曹操と虚々実々の争いを繰り広げる異民族として、烏桓(うがん、烏丸とも)と鮮卑(せんぴ)が登場する。後漢から三国、そして晋の時代にかけて、彼らの他にも多くの異民族が中国大陸に入っていった。彼らはやがて漢民族を併呑、或いは融合していき、ついには中国大陸全土にその血統を残すこととなるのである。 本書は数多くいた異民族の中でも、大陸を制覇した烏桓と鮮卑について触れるものである。そこから中華王朝が頭を悩ませた外交について切り込み、国境のない現代社会をどのように生き抜くべきかを考えることが本書の目的である。 【目次】 ●烏桓と鮮卑の出自 =歴史の表舞台に現れるまで= ●前漢・後漢、中国大陸の遥か先を見通す =統一王朝と支配されない異民族のせめぎ合い= ●三国志の中の北方民族 =袁紹・曹操・・・時代の先駆者と関わり続けた烏桓・鮮卑= ●内乱に斃れた統一王朝の治世 =鮮卑、中国大陸に再び足を踏み入れる= ●漢民族に取って代わった異民族 =天下に君臨した鮮卑と、生き続ける民族のアイデンティティ= 【著者紹介】 いちたか風郎(イチタカフウロウ) 1991年1月8日生。2013年愛媛大学法文学部人文学科卒業。新卒… 以上まえがきより抜粋  紀伊國屋書店ウェブストア