戦前、中村書店から発行された小熊秀雄の漫画は手塚治虫や松本零士も研究した。『不思議な国 インドの旅』は『勇士イリヤ』とともに、先日発刊された松本零士、日高敏編『漫画大博物館』(小学館)でも紹介された。『不思議な国 インドの旅』は手塚治虫作『ふしぎ旅行記』に大きな影響を与えたとされる。『勇士イリヤ』はロシアの古代伝記がモデルで、小熊の遺作とされている。また、傑作集1には、未発表の『子供漫画論』も収録する。『火打箱』『しっかり者の錫の兵隊』は、アンデルセンの童話をベースにした作品。物語を絵で読む楽しさが感じられる作品。『コドモ海洋丸』は、『コドモ新聞社』の姉妹編ともいえる。『コドモ新聞社』では、子どもたちが新聞をつくっていくようすが漫画作品として表現され、子どもの目線で新聞とは何かが描かれていた。この『コドモ海洋丸』は子どもたちの力で商船を動かし、東南アジアを行き来する様子が描かれている。小熊は北海道に生まれ、樺太で高等小学校を卒業している。船員は小熊にとってあこがれの仕事であったように思われる。小熊は『コドモ海洋丸』『コドモ新聞社』の2册を通して、子どもたちに船員や新聞記者の仕事の喜びと夢を語っている。
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