風鈴丸 額付き木版画 3部作 『再生の川、記憶水、彼ノ岸』 1994年
タイトル :再生の川(ed:3000),記憶水(ed:3000),彼ノ岸(ed:2625)技法木版画(6版6度摺)限定部数8625(3種類合計)※レギュラーエディションは完売。現在販売のものは、AP(作家保存)版のみ。制作年1994年画面寸法(イメージサイズ)141×106mm額外寸365×638mm作家名風鈴丸(ふうりんまる)作品説明この3枚の木版画の製作テーマは、死・水・記憶です。止まる事のない始まりと終わりのつながりです。めぐり続ける今日であり、繰り返す呼吸です。ご注文確定後に作家に発注致しますので、約10日から2週間程お時間を頂きます。額の仕様(デザイン、色など)は、予告無く変更になる場合があります。予めご了承下さい。額のウラに作家のサインとイラスト入り [風鈴丸 TOP]風鈴丸 Furinmaru武蔵野美術大学工芸工業デザイン科卒業 / 1993年 この年より全国各地で個展開催 / 1999年 静岡県榛原郡吉田町健康福祉センター壁画制作 / 2001年 カタログレゾネ刊行 / 2005年 しずてつストア(スーパー)の壁画制作&エコバッグデザイン作品収蔵:駿府博物館 / 静岡県裾野市 / 静岡県静岡市 / 静岡県榛原郡吉田町 / 静岡県立静岡東高校現在、画家(木版画家)として活躍中。定期個展開催画廊:ギャラリー・ベルセーブ(当店)、伊勢丹新宿店、松坂屋静岡店、Bunkamura Garelly、画廊 梵(岐阜県)、山口画廊(千葉県)など-第一話-再生の川ゆるやかに流れてゆく。流されゆく僕であった肉体。手向けの花もチョコレートも、みんな水に溶けてしまった。透明な南の海の方角へ、巨大にうねる植物のあおい茎をぬってゆく。黄色な花の弔いの唄を聴きながら、僕はだんだんうっとりとして。(どこか遠くで誰かがひっそりと泣いているような気がする)小さな魚がまとわりついて僕の体をついばんでいる。そうして僕は静かに笑い、ゆらりと水に溶けていった。-第二話-記憶水はじめて眼をあけたとき、そこはまるで水の中にいるようだった。膜が張ったようにぼんやりとした天井に色とりどりのものが回っていた。耳に入る音は全て「かぽーん」と響いている。猫の柔毛のようなやわらかく湿った光があふれている。至福の時。そしたら大きな白い手が近づいてきて、私はふうっと眠りについた。(誰かがうれしそう笑ったような気がする)ああ、そうだ。水の中から空を見上げたその風景によく似ている。ここは水の中の世界だ。そうして私は成長したけど、今でもその水を抱えている。決して失くしたりしない。それが記憶水。-第三話-彼ノ岸干からびた人形の死体をひきずって、とうとうここまできてしまった。彼の岸と呼ばれる所。赤い岸辺は地平まで続く。強い風ごおと吹き、何やら大きな花の香りがする。見渡せば古い町並。ああどうしよう。どうしたらよいだろう。私はただ、私にしかできない弔いをしてあげたかっただけなのに。家々の影にはあちら側の人がいて、じっと様子をうかがっている。それならいっそ私もゆこう。この子らみんなひきつれて、この赤い岸辺をどこまでも、どこまでも。風鈴丸 『再生の川、記憶水、彼ノ岸』この死・水・記憶をテーマにした木版画作品三部作は、1994年12月発売の季刊版画芸術(当時は8625部限定で発行)の特別添付版画として1冊につきこの3つのうちの1つが付いていました。全て直筆のエディション番号とサインがついているオリジナル作品でした。現在は、絶版になっているため、作家保存版のみ販売されています。風鈴丸の木版画作品としては、最小のサイズです。
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