・“痒み”は皮膚だけに生じる、独特の感覚である。そして痒みは、皮膚疾患患者にとって最もQOLに影響を与える症状のひとつである。
・近年、痒み研究は著しい進歩をみせている。痒み伝達の神経生理学的メカニズム、新規の痒み伝達物質など、毎年のように新知見が報告されている。
・新規痒み伝達物質をターゲットとした薬剤も続々と開発され、一部は臨床応用されている。その効果を評価することで、さらに痒みのメカニズムが明らかとなっている。
■ 痒みはどこまでわかったか ─痒み研究の最前線
・はじめに
・痒みを伝える一次感覚神経の理解の現状
〔key word〕痒み、一次感覚神経、一細胞トランスクリプトーム、サイトカイン
・痒みとTRPチャネル
〔key word〕痒み、TRPチャネル、感覚神経
・痒みメディエーター
〔key word〕痒みメディエーター、痒みモジュレーター、痒み伝達経路
・脊髄における痒み伝達機構
〔key word〕痒み、脊髄、グルタミン酸、ガストリン放出ペプチド(gastrin-releasing peptide:GRP)
・痒み対策と治療法ーーアトピー性皮膚炎を中心に
〔key word〕アトピー性皮膚炎(AD)、生活指導、局所治療、全身治療、光線治療
●TOPICS
腎臓内科学
・慢性腎臓病患者のナトリウム・カリウム排泄量と腎機能予後
循環器内科学
・アクチン重合促進因子mDia1は圧負荷心肥大応答を制御し心機能維持に寄与する
●連載
人工臓器の最前線
・8.人工聴覚器の現状
〔key word〕人工内耳、残存聴力活用型人工内耳(EAS)、人工中耳(VSB)、骨導インプラント
医療AI技術の現在と未来ーーできること・できそうなこと・できないこと
・3.医療AI・機械学習技術の病理画像への応用
〔key word〕AI、深層学習、Whole Slide Image(WSI)、intelligence augmentation(IA)
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・5.自分のいる場とグローバルの場の重なり
病院建築への誘いーー医療者と病院建築のかかわりを考える
・特別編ー個室病棟について考える
●書評
・『免疫学者のパリ心景 新しい「知のエティック」を求めて』(矢倉英隆 著)
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