既知の作品に全く新しい意匠を与えて現代に蘇らせる鬼才ヴァイオリニスト
ニクラス・リーペの新たな挑戦は何とヴィヴァルディの『四季』!
ハンブルクを拠点して活躍する気鋭のヴァイオリニスト、ニクラス・リーペ。2017年にリーペは兄弟とともに、ハノーファーの南駅近くの鉄鋼倉庫で「Liepe & Co. Festival」を設立し、クラシック音楽の境界線を押し広げるような活動を展開しています。2018年にリリースした様々な現代作曲家の編曲による「パガニーニ・プロジェクト」では、有名な『24のカプリース』 のさまざまなアレンジを集め、フォックストロットとタンゴ、ジャズと、溢れんばかりのロマンティシズムを共存させ、「ゴールドベルク・リフレクションズ」では、アンドレアス・タルクマンによる編曲や様々な現代作曲家による作品を加え、エキサイティングで新しくカラフルな方法でバッハの大作変奏曲を現代に蘇らせました。
リーペの最新アルバムは、オスカーを受賞するなど映画音楽の作曲で知られるレイチェル・ポートマンによる新作『ティッピング・ポインツ』に加えて、ヴィヴァルディの『四季』の全く新しい編曲版を収録しています。このアルバムのために委嘱されたヴァイオリンとオーケストラのための6部構成の組曲『ティッピング・ポイント』は、ポートマンの多彩な筆致によって、侵されつつある空気、土、水、火という四大元素の類まれな美しさが描き出され、地球の保護を訴えています。ポートマンの作品は、気候変動による地球環境の危機をテーマにしたイギリスの作家ニック・ドレイクの詩と対を成すもので、ディスク2にはイギリスの女優グレイン・ドロムグールによる朗読付きの演奏が収録されています。さらにポートマンのオペラ『星の王子さま』からの3曲を、ポートマン自身がヴァイオリンとオーケストラのために新しく編曲したヴァージョンを収録しています。演奏は、現在ベルリン・コーミッシェオパーの第1カペルマイスターを務める八嶋恵利奈が指揮するWDR放送管によっています。
このアルバムの2番目の作品は、やはり世界初演録音となるもので、編曲家兼作曲家のヴォルフ・ケルシェクによる、ヴィヴァルディの有名な協奏曲集『四季』による新しい「映画的」オーケストラ・バージョンです。パッケージは環境に配慮して紙製のものが使われ、ニック・ドレイクによるポートマンの作品の解説、ドレイクの詩、ヴォルフ・ケシュシェクによるヴィヴァルディ作品の解説が掲載されたブックレットが添付します(欧文)。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1
1. ポートマン:ヴァイオリンとオーケストラのための組曲『ティッピング・ポインツ』
I. 呼び覚まし
II. 空気
III. 水
IV. 火
V. 土
VI. エピローグ
2. ポートマン:オペラ『星の王子さま』より(作曲者編、ヴァイオリンと管弦楽版)
葉っぱと木々
飛行
自分の星で
3. ヴィヴァルディ/ケルシェク編:ニュー・フォー・シーズンズ
春:I. 氷が融けて楽しい春が始まる/II. 羊飼いのにぎやかな夢/III. 妖精たちとのダンス
夏:I. 暑さと狂乱/II. 蚊と蠅/III. 夏の雷雨
秋:I. 収穫のダンスと酒の飲みすぎ/II. 甘い眠り/III. 狩り
冬:I. 凍えて震える/II. 快適な暖炉、外は雨 /III. 滑って転んで
Disc2
4. ポートマン:ヴァイオリンとオーケストラのための組曲『ティッピング・ポインツ』〜ニック・ドレイクの詩の朗読付き
I. 呼び覚まし
II. 空気
III. 水
IV. 火
V. 土
ニクラス・リーペ(ヴァイオリン)
グレイン・ドロムグール(朗読:4)
WDR放送管弦楽団(ケルン放送管弦楽団)
八嶋恵利奈(指揮:1,2,4)
パトリック・ランゲ(指揮:3)
録音時期:2023年8月31日〜9月5日(1,2,4)、2023年10月16-20日(3)
録音場所:ケルン放送局
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
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