世界初録音。ルセのリュリ愛光る充実演奏による『ヴィーナスの誕生』
リュリ作品の普及と録音に心血を注ぐクリストフ・ルセとレ・タラン・リリク。これまでリリースした7篇のオペラはいずれも高い評価を受けましたが、今回宮廷バレエ(バレ・ロワイヤル)作品に初挑戦。1665年初演の『ヴィーナスの誕生』で、世界初録音。
宮廷バレエはフランス王ルイ14世時代に発達した舞踊劇で、王族が楽しむものでした。声楽が入る点でオペラ的な要素も強く、リュリの真骨頂が発揮されます。フランス映画「王は踊る」(2000) でも描かれているように、リュリの宮廷バレエはルイ14世自身が踊るために作られたもので、『ヴィーナスの誕生』はルイ王の義妹アンリエットがヴィーナスを、王がアレクサンダー大王を演じました。
全2部、12のアントレから成る55分ほどの作品で、ギリシャ神話の神々オールスターキャストで有名なエピソードを綴り、華やかかつ英雄的に太陽王ルイ14世の権力を象徴します。それはリュリの政治的野心ではなく、強い愛の証であることをルセが見事に表現しているのもさすが。性格で精緻なリズムを重視したリュリならではの舞曲の面白さ、独唱と合唱のコントラスとなど充実度満点。最後はリュリならではの抒情悲劇的な作風も顔を出します。
フィルアップには『偽装した愛の神たちのバレエ』『プシシェ』『謝肉祭』のアリアや重唱、『町人貴族』のシャコンヌをルセならではの冴えた解釈で聴かせてくれます。独唱陣もルセの信任厚い若手実力派揃いで、リュリの『ヴィーナスの誕生』がこれまで録音されなかったのが信じられないほど楽しく充実した世界を描いています。(輸入元情報)
【収録情報】
リュリ:
1. 宮廷バレエ『ヴィーナスの誕生』 LWV.27 全曲
2. 『偽装した愛の神たちのバレエ』 LWV.21〜『ああ、リナルド、どこにいるの?』
3. 『プシシェ』 LWV.45〜イタリア人の嘆き
4. 『謝肉祭』 LWV.52〜『私はまさしく医者』
5. 『町人貴族』 LWV.43〜アルルカンのシャコンヌ
デボラ・カシェ(ソプラノ:1,3,4)
ベネディクト・トラン(ソプラノ:1,4)
アンブロワジーヌ・ブレ(メゾ・ソプラノ:1,2)
シリル・オヴィティ(テノール:1,3,4)
サミュエル・ナモッテ(バリトン:1)
ギヨーム・アンドリュー(バリトン:1,3,4)
フィリップ・エステフ(バリトン:1,4)
ナミュール室内合唱団(1)
レ・タラン・リリク
クリストフ・ルセ(指揮)
録音時期:2021年1月11,12日
録音場所:フィラルモニ・ド・パリ、シテ・ド・ラ・ミュジーク
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
世界初録音(1)
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