・薬理遺伝学検査は、薬物応答に関して生殖細胞系列の遺伝情報を扱う検査(遺伝学的検査)と定義され、日常診療で有用な検査である。
・本特集ではまず、当該研究分野における最新の情報について、がん化学療法、精神疾患治療、薬疹などの重症副作用の領域に焦点を当て、記述していただく。
・さらに、現状では臨床導入が限定的である薬理遺伝学検査の社会実装を推進するための、検査結果の返却に関するプロセスを含むゲノム医療体制の構築の現況について紹介していただく。
■ 診療における薬理遺伝学検査の社会実装に向けて
・はじめに
・がん化学療法におけるファーマコゲノミクスーー薬物代謝酵素の遺伝子多型にフォーカスして
〔key word〕ファーマコゲノミクス(PGx)、がん化学療法、薬物代謝酵素、遺伝子多型
・精神科領域の薬理遺伝学
〔key word〕Precision medicine、ヒト白血球抗原(HLA)、cytochrome P-450(CYP)、臨床的有用性
・HLA検査による重篤副作用の回避
〔key word〕ヒト白血球抗原(HLA)、重症薬疹、ジェノタイピング、特異体質性副作用(IDR)
・一般住民を対象としたゲノムコホート研究参加者への薬理遺伝学検査の情報回付
〔key word〕遺伝情報回付、薬理遺伝学検査、アミノグリコシド誘発性難聴
・院内における薬理遺伝学検査の体制構築に向けた取り組み
〔key word〕薬理遺伝学検査、電子カルテ、リアルワールドデータ、検体検査の品質・精度の確保
・日本臨床薬理学会「診療における薬理遺伝学検査の運用に関する提言」
〔key word〕薬理遺伝学検査、UGT1A1、NUDT15、ABCG2、包括同意
●TOPICS
病理学
・センチメートル規模の視野をマイクロメートルレベルの空間分解能でワンショット観察可能なトランススケールスコープ
脳神経外科学
・機械的脳血栓回収療法の最前線ーー急性期脳梗塞に対する血管内治療適応拡大
●連載
人工臓器の最前線
・12.肝機能代替のための多様なアプローチ:現状と課題
〔key word〕肝不全、機能代替、肝再生、生体組織工学
医療AI技術の現在と未来ーーできること・できそうなこと・できないこと
・7.医療AI・機械学習技術のシークエンスデータ解析への応用
〔key word〕シークエンスデータ、次世代シークエンサー(NGS)、人工知能(AI)、機械学習(ML)、深層学習(DL)
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・はじめに
医師の働き方改革・労働負荷軽減、病院の経営改革に資するICT技術
・1.病院運営をデータ利活用で最適化する
〔key word〕ビッグデータ、病院運営管理ツール、AI開発、電子カルテ、徳州会メディカルデータベース
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・9.アフリカにおけるポジティブ・デビエンス
●書評
・『乳癌診療state of the art 科学に基づく最新診療』(戸井雅和 編)
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