少し昔の日本では、まきや炭をおもな燃料にしていました。クヌギやコナラは、幹や枝がよい燃料になり、落ち葉も肥料になりました。伐採しても枯れず、20年ほどたつと再生して、また利用できます。里山では、これらの木を植えた雑木林が大切に育てられてきました。ところが、ガスや電気が普及してくると、まきや炭を燃料に使うことが少なくなりました。化学肥料の登場で、落ち葉もあまり利用されなくなりました。そして多くの雑木林は切り開かれ、住宅地などになって消えていったのです。この本には、雑木林が大切にされていたころの1年と、伐採されてから木々が再生する20年の変化が、それぞれ季節ごとに色鉛筆のやさしい風合いのイラストでえがかれています。たくさんの生きものでにぎやかだった、昔の雑木林にお散歩にきた気分で楽しんでください。
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