・2022年度、脂肪移植が術式として保険収載された。保険適用は現時点ではまだ限定的ではあるが、今後拡大することが予想される。
・脂肪移植術は、その臨床成績の不確実性や壊死組織に伴う後遺症が長年問題とされてきたが、今世紀に入り、脂肪移植生着の原理が解明され、生着を改善するための理論と技術が確立され、臨床成績も劇的に改善するに至った。
・本特集では、その全貌を紹介するために、脂肪幹細胞の基礎的な内容から、脂肪移植の臨床の実際と効能、再生医療への展望までをカバーする。
■ 脂肪移植の新展開 ─基礎から臨床へ
・はじめに
・脂肪移植を理解するために必要な基礎知識
〔key word〕脂肪組織、解剖、生着機序、脂肪由来幹細胞、サイトカイン
・脂肪移植のために必要なデバイス
〔key word〕トゥメセント法、ルアーロック式シリンジ、動力式脂肪吸引器
・脂肪移植による顔面再建
〔key word〕顔面変性疾患、脂肪移植、顔面再建
・脂肪移植による全乳房再建
〔key word〕乳房再建、脂肪移植、脂肪注入
・脂肪移植とインプラントによる乳房再建ーーハイブリッド法
〔key word〕乳房再建、脂肪幹細胞、放射線障害、ハイブリッド再建、ニードリング、DPS(dermal purse-string suspension)、脂肪移植、脂肪注入
・脂肪組織を用いた放射線皮膚障害の治療
〔key word〕脂肪組織、放射線治療、放射線組織障害、脂肪幹細胞、予防医学
・脂肪組織を利用した再生医療の展開
〔key word〕脂肪移植、再生治療、脂肪幹細胞(ASC)、血管内皮前駆細胞(AEPC)。培養上清
●TOPICS
麻酔科学
・肺移植の麻酔管理ーー呼吸と循環の連関は複雑で面白い
癌・腫瘍学
・がん遺伝子パネル検査の患者検体を用いたパイロット技能試験
●連載
人工臓器の最前線
・9.大動脈弁置換術における人工弁の進歩
〔key word〕経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)、rapid deployment弁、sutureless弁、valve in valve
医療AI技術の現在と未来ーーできること・できそうなこと・できないこと
・4.診療テキストを構造化するための症例報告テキストコーパス
〔key word〕自然言語処理(NLP)、診療記録、症例報告、テキストコーパス
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・6.コロナ渦中、ラオスにて村人の“現場力”から学ぶ
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
楽天Books