鎌倉期以降、天台宗教団は東国に教線を展開し比叡山の学問を地方に広めている。その重要な役割を担ったのが談義所(談所)の設置である。室町時代になると、関東各地の談義所では比叡山に登り竪義を遂げる僧の教化を行っていた。所化はすぐれた能化と、典籍をたくさん所蔵する談義所を、笈を背負って遍歴し、学問に励んだ。本書は歴史史料だけでなく仏典や天台学僧の著述の調査・研究を通して、談義所が檀林へと移っていく過程を探り、関東天台宗教団の地方への展開の実態を明らかにする。永年の緻密な調査に基づく待望の労作。
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