クリオは、自然ゆたかな町でくらす十歳の小学生。夏のはじめのある夜、おじいちゃんとホタルを見にいったクリオは、おじいちゃんが子どものころに、つりにがしたという、湖にいる大きなコイの話を聞く。でも、その後、親友や女の子たちと湖につりに行ったときには、なぜだか、そのことは打ち明けられなかった。やがて秋のはじめになり、ひとりきりで湖にやってきたクリオは…?田んぼのそばでのキャッチボール、舌がまっ黒になるあまいクワの実、入道雲、おまつりの夜の金魚すくい、あつい空気をふるわせるツクツクボスシの声、そして、水の中でぎらりと光るうろこ…。十歳の夏がまるごと五感で感じられる、自然派アーティスト村上康成による初の児童文学。小学校低・中学年〜。
楽天Books