シューベルト(1797-1828) Memories
やっぱり鬼才! クナの『グレート』
クナの「グレート」と言えば、ウィーン・フィルとの1957年盤が著名ですが、こちらは、それから2年後のミュンヘン・ライヴ。ウィーン盤は聴衆の拍手が終わらぬうちに無造作に開始してしまう怪物ぶりですが、こちらは聴衆の拍手が完全に終わってから、しかし素っ気ないくらいに始まります。ブルックナーの前史としてのシューベルトとも違う、ロマン的な表現。金管の強奏、突然のリタルダント、絶壁から突き落とされるようなテンポダウンには唖然とするばかり。田舎臭い魅力に満ちたミュンヘン・フィルの素朴な音色、粗雑と紙一重のスレスレの表現。鬼才の面目躍如と申せましょう。音像が残念ながら遠目で、原テープに起因する音の揺れも散見されますが、ファンならば手元に置きたい別格の奇演です。(輸入元情報)
【収録情報】
● シューベルト:交響曲第9番ハ長調 D.944『グレート』
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)
録音時期:1959年1月6日
録音方式:モノラル(ライヴ)
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