アンドレ・オウヴェハンド/ヘルスケ・ファン・ダーレン ドメス出版
オランダの住宅に興味を持ち、いくつかの都市や地方を訪れる多くの外国人が、社会住宅の団地を見てよく尋ねることがある。“このすべてが社会住宅なのですか?”と。彼らは総戸数240万戸、住宅ストックの36%を占める社会賃貸住宅の膨大な数と、その質の高さに驚かされるのである。多くの国では、社会住宅というと生活貧困者向けの低質住宅と受け取られがちであるが、オランダにおいては低所得者層のみではなく、幅広く中間層や高齢者・障害者などを含む多様な階層を対象としている。そこでは世にいわれるスティグマ化(社会的恥辱)やゲットー化、社会的排除のようなネガティブな社会現象はほとんど見られない。多くの外国人は、オランダの社会住宅が住宅協会によって運営されている仕組みや、住宅協会と政府が果たしている役割を知って驚き、不思議がるのである。
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